感染症|愛知県豊田市の小児科|永覚Kidsクリニック|予防接種・乳幼児健診

〒470-1206愛知県豊田市永覚新町1丁目17-3

0565-29-0415

WEB予約
下層メインビジュアル

感染症

感染症|愛知県豊田市の小児科|永覚Kidsクリニック|予防接種・乳幼児健診

ワクチンで予防できる感染症

マスクをしている子供

5種混合ワクチン

百日せき(Pertussis/Whooping Cough)

どんな病気?

赤ちゃんがかかると重症化しやすく、特に生後6か月未満の乳児では命に関わることもあります。ワクチンを受けていない人や、免疫が弱くなった大人が感染源となることがあります。ワクチンの効果は4~12年程度のため、6歳頃に追加接種(3種混合ワクチン)を受けることがWHOからも推奨されています。

原因となる細菌

百日せき菌という細菌が、せきやくしゃみの飛沫(しぶき)でうつります。

どんな症状が出るの?

最初は風邪のような軽い咳から始まり、徐々に「ヒュー」と笛のような音を伴う激しいせきが長期間続きます。赤ちゃんでは、特徴的なせきが出ず、急に呼吸が止まること(無呼吸発作)があります。

治療と予防は?

早期に抗生物質(マクロライド系)を使います。ワクチン接種が一番効果的な予防方法です。

ジフテリア(Diphtheria)

どんな病気?

日本ではワクチンのおかげでほとんど患者はいませんが、海外では今でも流行することがあります。

原因となる細菌

ジフテリア菌が出す毒素が原因です。

どんな症状が出るの?

のどに灰色の膜ができて息ができなくなることがあります。重症だと心臓や神経に影響が出て命に関わります。

治療と予防は?

抗生物質と、毒素を消す抗毒素の血清が使われます。発症すると重症化しやすいため、ワクチン接種が大切です。

破傷風(テタヌス)

どんな病気?

破傷風菌は土の中にいる菌で、土や泥で汚れた傷口から菌のタネが入り込み、体の中で増えて毒素を出します。人から人にはうつりませんが、小さなケガでも注意が必要です。

原因となる細菌

破傷風菌がつくる毒素が原因で、筋肉のけいれんを起こします。

どんな症状が出るの?

口が開かなくなったり、体がけいれんして動けなくなったりします。重症だと呼吸ができなくなります。

治療と予防は?

抗生物質、けいれんを抑える薬、呼吸のサポート、破傷風免疫グロブリンを使います。ワクチン接種が最も重要です。

ポリオ(Polio/急性灰白髄炎)

どんな病気?

日本では自然に感染した患者は1980年以降いませんが、海外ではまだ発生しています。

原因となる病原体

ポリオウイルス(腸内ウイルスの一種)で、口から感染します。

どんな症状が出るの?

多くの人は軽い風邪の症状だけですが、一部の人は手足に力が入らない「まひ」が出て、後遺症が残ることがあります。

治療と予防は?

特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。予防にはワクチンが必要です。

ヒブ(Hib/インフルエンザ菌b型)

どんな病気?

ヒブ感染症は5歳未満の子どもがかかると重症化しやすい細菌感染症です。特に細菌性髄膜炎や喉頭蓋炎(のどが急に腫れて呼吸が苦しくなる病気)は命に関わる危険があります。「インフルエンザ菌」という名前ですが、インフルエンザウイルス(冬に流行するインフルエンザの原因)とはまったく別の病原体です。

原因となる細菌

インフルエンザ菌b型が原因で起きます。この細菌は健康な人の鼻やのどにもいて、咳やくしゃみなどを通して感染します。

どんな症状が出るの?

軽いものでは中耳炎がありますが、肺炎や敗血症(細菌が血液中に入り全身に広がる病気)を起こし、入院治療が必要になることもあります。特に髄膜炎になると、高熱、ぐったりする、けいれんが起こるなど重い症状が出ます。また、喉頭蓋炎では急に息が苦しくなり、呼吸ができなくなる危険があります。

治療と予防は?

抗生物質で治療しますが、特に髄膜炎や喉頭蓋炎では早期診断と緊急の治療が必要です。そのため、ワクチンで予防することが最も効果的で、安全な方法です。

肺炎球菌ワクチン

肺炎球菌

どんな病気?

肺炎球菌は赤ちゃんや小さなお子さん、高齢者に重い病気を起こす細菌です。特に乳幼児では、脳や脊髄(せきずい)を包む膜に炎症が起きる「細菌性髄膜炎」を起こすと命にかかわることがあり、回復しても後遺症が残ることもあります。ほかにも肺炎、中耳炎、副鼻腔炎など比較的よく見られる病気を引き起こしますが、これらも重症化することがあります。

原因となる細菌

肺炎球菌という細菌が原因です。健康な人の鼻やのどにもよくいる細菌で、せきやくしゃみで広がります。

どんな症状が出るの?

「髄膜炎(ずいまくえん)」になると、高い熱、頭痛、ぼーっとする、けいれんなどが急に出てきます。
「肺炎」では、高熱や激しい咳、息苦しさ、元気がなくなる、呼吸が速くなるなどが見られます。
「中耳炎」では、耳が痛くなったり、不機嫌になったり、熱が出たりします。

治療と予防は?

治療には抗生物質を使いますが、抗生物質が効きにくい肺炎球菌が増えており、治療に苦労することもあります。そのため、ワクチン接種での予防が何より重要です。

B型肝炎ワクチン

B型肝炎

どんな病気?

ウイルスにより肝臓に炎症が起きる病気です。感染してもすぐには症状が出ないことが多く、気づかないまま感染が広がることもあります。赤ちゃんへの主な感染経路は出産のときの母子感染で、感染すると、慢性肝炎になり、数十年後に肝硬変(かんこうへん)や肝臓がんの原因になることがあります。

原因となるウイルス

B型肝炎ウイルスが感染している人の血液や体液を介してうつります。

どんな症状が出るの?

多くの場合、初めは症状がありませんが、症状が出ると発熱、体のだるさ、吐き気、黄疸(肌や目の白い部分が黄色くなる)などの急性肝炎症状が現れます。乳児期に感染すると症状が出ないまま慢性化し、将来的に深刻な肝臓病につながることがあります。

治療と予防は?

慢性化するとウイルスを抑える薬で治療しますが、完全に治すのは難しいため、赤ちゃんのときからワクチン接種で感染を予防することが大切です。日本ではすべての赤ちゃんが生後すぐからB型肝炎ワクチンを接種しています(状況によってはHBIGという免疫グロブリンも併用します)。

ロタウイルスワクチン

ロタウイルス

どんな病気?

ロタウイルスは赤ちゃんや小さな子どもに多い胃腸炎(嘔吐・下痢)の原因になるウイルスで、冬から春にかけてよく流行します。非常に感染力が強く、保育園や家庭などで簡単に広がります。多くの子どもが5歳までに一度はかかると言われ、特に初めて感染したときは症状が重くなりやすく、強い脱水症状を起こして入院が必要になることも少なくありません。

原因となるウイルス

ロタウイルスというウイルスが原因です。感染した人の便や吐いたものに含まれ、口に入ることで感染します(経口感染)。

どんな症状が出るの?

突然の激しい嘔吐で始まり、続いて水のような下痢が何回も続きます。発熱を伴うこともあり、数日間症状が続きます。重症化すると、脱水症状(ぐったりする、尿が少なくなる、唇が乾く)が起き、点滴治療や入院が必要になることがあります。

治療と予防は?

ロタウイルスに効く特効薬はないため、水分補給や吐き気止め、整腸剤など症状を和らげる治療が中心です。ワクチン接種による予防が最も有効で、生後2か月から早めに接種を始めることが重症化予防につながります。

BCG(ビーシージー)

結核

どんな病気?

結核は結核菌という細菌が肺などに感染する病気で、日本では今でも年間1万人以上が発症しています。特に赤ちゃんがかかると、肺の結核だけでなく、菌が脳を包む膜に広がる「結核性髄膜炎」や、全身に広がる「粟粒(ぞくりゅう)結核」という重症型になることがあり、これらは命に関わる大変危険な状態になります。

原因となる細菌

結核菌が原因で、感染している人がせきをしたときなどに出る菌を吸い込んで感染します。インフルエンザや風邪と違い、同じ部屋にいるだけでも感染することがある「空気感染」の病気です。

どんな症状が出るの?

初めは咳が続く、微熱が出る、体重が増えない、元気がなくなるなどの症状です。赤ちゃんでは急激に重症化し、髄膜炎では高熱、意識がもうろうとする、けいれんなどが見られます。粟粒結核では肺や全身に菌が広がり、呼吸困難など重い症状を起こします。

治療と予防は?

結核の治療には、複数の抗結核薬を半年以上飲む必要があります。赤ちゃんの重症結核を防ぐには、早期のBCGワクチン接種が最も効果的です。日本では生後5〜8か月の赤ちゃんに接種します。接種後は赤くなったり膿(うみ)が出たりしますが、自然に治りますので心配ありません。ただし、すでに結核菌に感染しているお子さんにBCGワクチンを接種すると、通常よりも早く、強い反応(腫れ、赤み、膿が大きく広がる)が見られることがあります。そのような場合は、接種を受けた医療機関にご連絡ください。

麻しん風しん混合ワクチン(MRワクチン)

麻しん(Measles/はしか)

どんな病気?

非常に感染力が強いウイルス感染症です。重症化すると肺炎や脳炎を起こすことがあり、入院治療が必要になります。日本ではワクチンにより発症数は減っていますが、海外で流行している地域から持ち込まれるケースもあるため油断できません。

原因となる細菌

麻しんウイルス。空気感染、飛沫感染、接触感染で広がります。

どんな症状が出るの?

高熱や咳、鼻水、目の充血など風邪のような症状が出た後、口の中に白い斑点(コプリック斑)が現れ、全身に赤い発疹が広がります。合併症として肺炎や中耳炎、まれに脳炎を起こすこともあります。

治療と予防は?

特効薬はなく、対症療法が中心です。感染力が非常に強いため、ワクチン接種による予防が何よりも大切です。

風しん(Rubella)

どんな病気?

妊娠初期の女性が感染すると、生まれてくる赤ちゃんに重い障害(先天性風しん症候群)を引き起こすことがあります。そのため、子どもだけでなく、将来妊娠を望む女性やその周囲の人も予防が重要です。

原因となる細菌

風しんウイルス。飛沫感染(咳・くしゃみ)でうつります。

どんな症状が出るの?

発熱や発疹、首のリンパ節の腫れなどが主な症状で、軽く済むこともありますが、妊婦への感染が特に問題となります。

治療と予防は?

麻しんと同じく特効薬はありません。MRワクチンでの予防が重要です。

水痘ワクチン

水痘(Varicella/水ぼうそう)

どんな病気?

水ぼうそうはかゆみのある発疹が全身に出る病気で、保育園や幼稚園などで集団感染しやすいです。乳児や免疫力の弱い人では重症化して肺炎や脳炎を起こすことがあります。

原因となる細菌

水痘・帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルスの一種)。接触や空気感染します。症状は感染してから7~21日で現れます。

どんな症状が出るの?

赤いぶつぶつが出て、水ぶくれになり、最終的にかさぶたになります。通常、体幹と顔に始まり、その後腕と脚に現れます。発熱を伴うこともあります。

治療と予防は?

抗ウイルス薬を使うことがありますが、重症化を防ぐにはワクチン接種が最も効果的です。

ムンプスワクチン

流行性耳下腺炎(Mumps/おたふくかぜ)

どんな病気?

耳の下(耳下腺)が腫れて痛くなる病気です。合併症として無菌性髄膜炎や難聴、思春期以降では精巣炎・卵巣炎などを起こすことがあります。

原因となる細菌

ムンプスウイルス。飛沫感染や接触感染で広がります。

どんな症状が出るの?

発熱、耳下の腫れと痛みが特徴です。頭痛や吐き気を伴う場合は髄膜炎の可能性があります。

治療と予防は?

特効薬はなく、症状に応じた対症療法が行われます。ワクチンでの予防が合併症防止の鍵となります。

日本脳炎ワクチン

日本脳炎(Japanese Encephalitis)

どんな病気?

蚊を介してうつるウイルス感染症で、発症すると高熱、けいれん、意識障害など重篤な脳炎を起こすことがあります。死亡率が高く、回復しても後遺症が残ることがあります。

原因となる細菌

日本脳炎ウイルス。ブタと蚊が感染のサイクルを担います。

どんな症状が出るの?

突然の高熱、頭痛、吐き気、けいれん、意識障害など。発症率は低いですが、非常に重い病気です。

治療と予防は?

治療法はなく、対症療法のみです。流行地域(日本を含む)ではワクチン接種が推奨されています。

HPVワクチン(子宮頸がんワクチン)

ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus:HPV)

どんな病気?

HPVの中には、将来的に子宮頸がんや中咽頭がんなどのがんの原因になる型があります。HPVワクチンを思春期に接種することで、将来のがんの予防につながります。

原因となる細菌

ヒトパピローマウイルス(HPV)。主に性行為などで感染しますが、思春期前にワクチン接種することで高い予防効果があります。

どんな症状が出るの?

多くは無症状ですが、一部は尖圭コンジローマや、何年もかけてがんに進展することがあります。

治療と予防は?

ワクチンは子宮頸がんの原因となる主要な型に対応しています。日本では小学6年~高校1年相当の女子を対象に定期接種として無料で受けられます。また、豊田市では男児に対しても、HPVワクチンの接種費用を助成する制度があります。対象年齢や申請方法などの詳細は、市のホームページ等でご確認ください。

TOP